部分的に薄毛になる?円形脱毛症とは?
脱毛症には様々な種類があります。円形脱毛症は難治化することもある病気です。原因がはっきりとしておらず、複数の要因によって引き起こされると考えられています。
様々な治療法があるので、まずは円形脱毛症の種類を知ることが大切です。ここでは、円形脱毛症の種類や原因、治療法について解説します。
円形脱毛症とは
円形脱毛症は、円形や楕円形の脱毛が突発的に起こる病気で、次のような種類があります。
単発型
円形の脱毛が1~3つできます。
多発型
2~3つ以上の脱毛が起こり、一度治ったものの再び発症してしまうものです。
全頭型
数ヶ所の脱毛部分が広がることで、お互いに繋がり、最終的には頭髪が全て抜け落ちます。
凡発型
髪だけではなく、眉毛やまつげ、陰毛など全身の体毛が抜けます。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症の原因は完全には解明されていませんが、次のような原因が考えられています。
自己免疫疾患
外敵を排除する免疫が、自分の細胞や組織を攻撃してしまう病気を自己免疫疾患といいます。Tリンパ球という免疫機能が、毛根を異物と誤認して破壊することで、円形脱毛症を発症すると考えられているのです。
毛根は、発毛に必要なものであるため、失われると脱毛してしまいます。
遺伝的要因
円形脱毛症の約半数もの人がアトピー性疾患を持っているといわれています。
また、家族や近親者に円形脱毛症の患者がいる場合にも、発症率が高まるともいわれているため、なんらかの遺伝的要因が発症に関与していると考えられている状況です。
ストレス
精神的ストレスを受けると、交感神経が活発になり、心拍数の増加や体温の上昇などが起こります。過度な精神的ストレスを受けると、交感神経が異常に活発になり、血管収縮により頭部への血流が悪くなってしまうことがあるでしょう。
その結果、十分な栄養が毛根に供給されなくなり、円形脱毛症を発症する可能性があるのです。また、ストレスは自己免疫疾患の要因になるとの指摘があります。
円形脱毛症の治療法
円形脱毛症の治療は様々で、主に次のような治療が検討されます。
薬物療法
ステロイド外用薬や抗ヒスタミン剤などを使用する治療法です。ただし、ステロイド外用薬は脱毛の面積が小さく、発症して間もないころにのみ適用されます。抗ヒスタミン剤は、アトピー性疾患を持つ人に対して使用されることが多いでしょう。
なお、ステロイドの内服薬を使用する場合は、服用期間は2~3ヶ月に限定されます。これは、長期間に渡ってステロイドを服用すると、肥満や糖尿病などのリスクが高まるからです。
ステロイドパルス療法
円形脱毛症が急速に進行する場合は、ステロイドを点滴します。治療には入院が必要です。
局所免疫療法
人為的に頭皮をかぶれさせ、頭皮で起きている自己免疫状態を改善させます。主に、難治性の円形脱毛症に適用されることが多いでしょう。
ただし、行っているクリニックは少ないといわれています。
レーザー治療
エキシマレーザーという紫外線のレーザーを使用する治療法です。ただし、クリニックによって使用されるレーザーが異なります。
また、ストレスが原因で円形脱毛症になっている場合においては、ストレスを溜めないようにすることで改善する可能性があり、まずはストレス緩和が最善です。円形脱毛症を気にすることで余計にストレスが溜まり、症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。
また、ストレスをできるだけ抑えるために、ウィッグを使用するのも対策の一つといえます。頭皮に十分な栄養を供給するために頭皮マッサージをしたり、栄養バランスに優れた食事を摂ることも大切です。
おわりに
円形脱毛症は、様々な種類がある脱毛症の中でも原因がはっきりしていない病気です。そのため、治療を受けることに不安を覚える場合もあるでしょう。
しかし、まずは行動しなければ円形脱毛症が改善する可能性は低いので、クリニックを受診することをおすすめします。また、自分でできる対策として、ストレスを溜めないようにしつつ、栄養バランスに優れた食事を摂りましょう。
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